山本義徳コラム #4
2021.11.01
納豆のメリットは
日本人の発酵食品として真っ先に思い浮かぶのは、味噌と並んで納豆ではないでしょうか。かなり好き嫌いが分かれますが、好きな人にとってはこの上ない食材のはずです。
納豆のネバネバは納豆菌によるものですが、納豆菌には「ナットウキナーゼ」という酵素が含まれています。ナットウキナーゼには血栓を溶かす働きがあるため、脳梗塞や心筋梗塞などを予防する効果があると言われています。またエコノミー症候群などの予防にも役立ちます。
血液の流れが悪くなったり、食生活が乱れていたりすると血栓ができやすくなるのですが、納豆を常食することで、それを防ぐことができるのです。
日本で行われた研究では、納豆1パックに含まれるナットウキナーゼにより、血栓を溶かす働きが6時間以上高まったとされています。
血栓を溶かす働きのことを、線溶系と呼びます。逆に血液を固める働きを凝固系と呼びます。血栓は無い方が良いのですが、線溶系が強すぎると血液が固まらず、出血しても血が止まらないことになり、それではマズイことに。
とてもうまくできているのですが、納豆には血液を固める成分も含まれています。それがビタミンK2。ビタミンK2は骨を強くしたりするほか、出血を止めて血を固めてくれる作用もあるのです。
このビタミンK2とナットウキナーゼがバランスよく働くことで、出血がひどくなることもなく、血栓も溶かしてくれるという素晴らしい作用を納豆が発揮してくれるのです。
なおナットウキナーゼは熱に弱いため、アツアツのご飯の上に置いておくとナットウキナーゼがダメになってしまう可能性があります。できるだけ加熱はしないで食べるようにしてください。
また納豆にはポリグルタミン酸も含まれます。これはカルシウムの吸収を高めたり、腸内環境を整えてくれたりする作用があります。もちろん納豆菌そのものにも善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えてくれる働きがあります。
さらに納豆1パックには食物繊維も3.3g含まれ、これも腸内環境を整えるのに役立ってくれます。
納豆をつくるのは簡単です。市販の納豆菌を使っても良いのですが、圧力鍋で大豆を煮て、そこに納豆を少しだけ入れ(4分の1パック程度)、ヨーグルティアで温度を45度、タイマーを24~48時間にセットするだけ。
ぜひ試してみてください。なお腸内環境のためなら朝、血栓予防を期待するなら夜に納豆を食べるようにするといいでしょう。
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